生成AIが米大統領選に与える影響 半田貞治郎

生成AIが米大統領選に与える影響

こんにちは!半田貞治郎です。

2024年11月の米大統領選を前に、生成AI技術を用いた偽情報の拡散が深刻な問題となっています。特に注目されているのは、トランプ前大統領を支持する偽画像の拡散です[1][2]。

6月上旬、トランプ氏が黒人の若者たちに囲まれている画像がXに投稿されました。この画像は生成AIで作成された偽画像でしたが、「トランプ氏は寛容だ」「偉大だ」といった好意的な反応が相次ぎました[1]。この投稿の背景には、黒人有権者の支持を集める狙いがあったと考えられます。

前回の大統領選では、黒人有権者の約9割がバイデン氏に投票し、バイデン氏の勝利に大きく貢献しました[1]。そのため、トランプ陣営にとって黒人有権者の支持獲得は重要な課題となっています。

生成AI技術の普及により、一般市民でも迅速かつ大量に巧妙な偽動画や偽画像を作成できるようになりました。これらの偽情報はSNSを通じて急速に拡散し、有権者の判断に影響を与える可能性があります[1][2]。

米政府はAI規制の法整備を急いでいますが、11月の大統領選には間に合わない見通しです。IT大手20社は2月に選挙妨害を防ぐための技術協定を結びましたが、7月の時点でも一部のサイトでは偽情報の注意書きがなく、閲覧可能な状態が続いています[1]。

ブルッキングス研究所のエレーヌ・カマルク上級研究員は、選挙終盤で接戦が続く中、投票日直前に偽情報が流れた場合、真偽を見分ける時間がなく、有権者の投票行動に大きな影響を与える危険性があると警告しています[1]。

一方で、バイデン陣営も黒人有権者の支持獲得に苦戦しています。ロイター/イプソスの世論調査によると、バイデン氏の「トランプ氏は民主主義への脅威」という主張は、黒人有権者にはあまり浸透していないことが明らかになりました[3]。

この状況下で、生成AIによる偽情報の拡散は、有権者の判断をさらに複雑にする可能性があります。選挙の公正性を保つためには、技術的な対策だけでなく、有権者メディアリテラシー向上も重要な課題となっています。

Citations:
[1] https://www.yomiuri.co.jp/world/20240711-OYT1T50000/
[2] https://news.yahoo.co.jp/pickup/6507156
[3] https://jp.reuters.com/world/us/7GR4ITYXGFNMTNCDYC6LIFRETA-2024-03-15/
[4] https://news.infoseek.co.jp/topics/20240711_yol_oyt1t50000/
[5] https://www.cnn.co.jp/usa/35149974.html